先週の土曜日の事です。
3月に卒園したまー君が、ママの自転車の後ろに乗せられて園の前を通りかかりました。
嬉しいことに園前で止まり、親子で保育室へ向かって思いっきり手を振ってくれました。
気付いたスタッフや子ども達が窓越しに集まり「あーーっ!!まー君だぁ~」と久しぶりの再
会を喜びあいました。
1ヶ月ちょっと見ないうちにすっかり小学生らしいお顔になり、キラキラ✨と輝いて見えまし
た。どうやら、熱で学校を休んだそうです。体調も戻り無事回復!今から小児科で通学の許可
をもらいに行くと話していました。
昔の人は、草木の新芽が出てくる時期は特に体調を崩しやすいので気をつけて!とよく言った
ものです。朝起きて突然の子どもの発熱に気付き、あたふたする事がよくあります。
大人も同じなので、親子共々無理せずそれぞれのペースで少しずつ体を慣らして新生活を乗り
切りましょう♪
卒園した子ども達は、元気に頑張っているかな?友だちは出来たかな?等々、思いながら自転
車で走り去る2人を見送りました。
この子達、卒園児は私達に多くのお土産を残してくれました。
それは、<優しい心><最後まであきらめない強い気持ち>です。
振り返ると、何かあるごとに集まって話し合いをしているクラスでした。いけないことはいけ
ないと叱られもしました。泣いた姿も何度も見てきました。でもそのたびに、一歩ずつ前に進
んで心が優しく、強くなってきました。
そんな子ども達が残してくれた思い出の中から、もっとも忘れられない出来事を一つお話をし
たいと思います。
それは蝶との出会いでした。
1つ年下のいっちゃんが自宅の庭から、アゲハの幼虫を持ってきてくれました。早速かわいが
り名前を考えてみたり体が変化する様子を観察したりと大切に見守っていました。
次から次へと飛び立っていくのを見送ってきましたが、サナギになってから4~5か月経過し
ても生まれないものもありました。
最近になってキッチンの先生が、「今になって思うけど…」と前置きしながら不思議に思って
いたことを話し始めました。
「年長組の保育室で越冬したサナギが卒園する前に3羽とも孵化したじゃない…まだ気温も低
い3月にね~。もう少し4月まで待てば、暖かい陽射しを浴びる事もできたのに。まるで、卒
園する日を知っているかのように日にちを合わせて3羽とも順番に生まれてきたよねー」と。
4~5ヶ月経過と共に、すでに死んでいるかもしれないと思い込んでいた子ども達。生きてい
たことへ驚きと感動は凄かったです!!「生まれたよー👀」
命の営みや生命力の強さを蝶は教えてくれました。生きている事は神秘であり、生きる力は、
やわなものではない!強く生きろと教えてもらった気がします。子ども達が諦めず、最後まで
大切に観察し続けたからこそ、最高の喜びを得ることが出来ました。
3羽のうち、2羽は保育室で1日中羽ばたく練習をし2日目に少し開いていた窓から自分の力
で大空へ飛び立っていきました。もう1羽は、孵化した時に落下したのか羽が折れていまし
た。自由に飛び回る事が出来ない状態にあるのに、一生懸命飛び立つ練習をしていました。や
がて疲れて窓のサンに横たわり休み、またバタバタ…。
それを見ていた男の子が「そうか、外へ行きたいんだね~」と呟いていました。次の日は土曜
日。登園した子ども達が蝶を榴岡公園へ連れ出し、花びらの上に置き、蜜を吸わせていまし
た。
日曜日までは、かすかに動いて生きていました。
月曜日には、悲しいお別れが待っていました。仕方のない事、どうしようもない現実の中で何
とか出来る事をしようとしたお兄さんやお姉さん達の姿は、じっと見ていた在園児の目に焼き
付いているようで、今年も蝶が来るといいね~と楽しみにしています。
大切なお土産を残してくれありがとう。この思いをいぶき保育園の子ども達が引き継いでいき
ます。優しい一年生のいぶきっこ達!これからも頑張れ!!💗
やる気!元気!いぶき!頑張れ!
2023,5,16 園長 阿部千鶴子