ある日の事

11月初めのお昼寝時間のことです。
午後1時をまわると、多くの子ども達が眠りについていました。
その日まだ眠れなかった男児。ブラインドの隙間から外を眺めて通過する車を目で追ってい
ると……
突然、その子の動きが止まりじぃーっと何かを見つめています。
気になり男児の視線の先を見ると、向かいのマンションの階段手すりに、おじいさんが寄り掛かって
外を眺めているのが見えました。
子どもの視線に気づいたおじいさんは、男児に向かってニコニコ顔です。
お互いに知らない同士。微笑み合い、窓越しに手を振り合っています。
その後、おじいさんはお昼寝時間であることを察したのか、寝ることを促すかのようなしぐさし、手
を振りながらマンションの中へ。
男児もおじいさんのしぐさに答えるかのように笑顔のまま、すぐ眠りにつきました。何ともほのぼの
気分になりました。
園児を引率している先生達も公園などで、地域の方からよく声をかけられています。
「いくつなの?」「可愛いね~」
その声に、子ども達はすぐさま反応します。この人なつっこさは、地域の方からの恩恵。笑顔と言葉
の優しい環境のお陰だと思います。
取り巻く環境や雰囲気が、子ども達を人好きにし、社交性・優しさの育てに繋がっているようです。
お陰様で年長児の中には、すれ違った人に自分から「こんにちは!」が言えたり、仕事中の人がいる
と「がんばってください!」と声をかける子どももいます。
大人が笑顔を向けると、心地良く感じて思わずそう言葉を発したくなるのでしょう。
先日、公園へ向かう園児の様子を見ていると、先生達が路地で車がすれ違うたびに子どもの足を止め
て、運転手に軽く会釈をし、車が通り過ぎるのを待っている姿がありました。
それを真似してか、子ども達も運転手さんにぺこりと挨拶。
大人のする行動をよく見ているのですね。
小さいうちから、身の周りで起こっている環境の中から、一つひとつを繋ぎ合わせて人に対する優し
い接し方や心地良い距離感の取り方などを学んでいるのでしょう。
良い事ばかりであればよいのですが、してほしくない事を真似されるとドキッとしますが(*´Д`)💦
子どもに逆に教えられて、大人も大人になっていくのかもしれません。
大人は、子どもに対して知らない人についていかない、過剰な反応はしない、何かあったら大き
な声でまわりの人に知らせる等、身を守る方法を一生懸命教えようとします。それはとても大切
なことです。けれども、人の優しさや温かさにたくさん触れている経験があると、普段と違う状況
に置かれた時、感が働き、正しい判断や行動が出来ると信じています。
これからも地域の皆様に助けられながら、いぶき保育園が子育ての世代の強い味方としてご活用して
頂けるよう、地域に根ざして成長を続けていきたいと思います。
やる気!元気!いぶき!これからも宜しくお願いします!
2022,11,10 園長 阿部千鶴子
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