8月のある日のこと。テレビで「夏休みSP!太一&二宮が都心でカブトムシ大捜索」という番組が放送されていた。
嵐の二人が都内を駆け回ってカブトムシ捕獲に走り回るという企画。
大都会のどこでカブトムシを見つけるのだろう興味津々で見ていました。しかし始まってすぐに嵐の一人が虫嫌いなようで「わぁ💦やめて💦触れない💦」と腰がひけるほど怖がる姿にびっくりしました。



そうか…..もしかしたら嫌いなのは子どもの頃、昆虫を捕まえたり本物を観察したりする体験が少ないまま過ごしてきたのかもしれない。
グロテスクな虫は苦手な私でも、子ども達と一緒に観察しているうちに、何とか克服し触れるようになりました。
カブトムシはグロテスクな虫に入らないし、青虫のように柔らかさがないため、つぶれる感じがなく安心して触れます。
都会の中でも、友達と一緒に遊びながら虫探しができる場所があればいいなあ。
虫を触れない大人や子どもがいるのは仕方ないことですが、カブトムシを探しまわってようやく見つけ大喜びをしている子どもの姿ばかり見てきた私にとって、大人が怖がるシーンを見て、想像していたものとのギャップがありびっくりしました。

番組の話に戻りますが…
カナブンとコクワガタを捕獲していました。カブトムシはなかなか見つからず苦労している様子。
どうやらハクビシンやタヌキはカブトムシを食べるそうです。昆虫の世界はなかなか厳しいです(-_-;)
そんなに簡単に見つからないのも理解できます。

そんな中、保護者の方が自分で捕まえたという貴重なカブトムシを6匹も持って来てくれました。
1匹はメス、5匹はオスでした。
担任はすぐに100均で飼育に必要な物を購入に走る(笑!)そして毎日観察できるようと窓辺に並べてくれました。

「気持ち悪い!」「こわい~っ」

近づきもしない子ども達でしたが、担任が毎日素手でお世話をする様子を見て「おもしろい….」「ちょっとなら触れるかも!」「触れたよ!」と日増しにカブトムシと子どもの距離が縮まっていく様子は感動的でした。
今では、朝登園するとすぐにケースのそばへ寄って行き、餌や水かえのお世話をしたがります。餌の数が少なくなると、「あと2こしかないよ!どうしょう💦」「かわいそう~」「榴岡公園に放してあげようよ」など、3歳児は考えた事が言葉にできるようにまでなりました。

 


残念なことに、メスは卵を産んだ後に弱りはじめ死んでしまいましたが12個の卵を残してくれました。そのうち10個が幼虫となり、今も順調に成長を続けています。

毎日幼虫のお世話に頑張っているうめ組とくるみ組。
生き物との生活は手間もかかるが、それ以上に得るものが大きいことが子どもを通して感じます。
幼い頃の飼育した経験は、いつか記憶の中から消えてしまいます。
でも同じ場面に出会ったとき、体がどこかで覚えているものです。思いやりや優しさが育まれ大人になった時にまた別の豊かな感情が育っていきます。この子達を見て実感します。

幼児期は、目に見える大きな心の成長を求めるのではなく、点(体験)と点(体験)をいくつも線で繋ぎながら栄養を与え、人間としての土台をつくる時期。
太くしっかりした根っこを育み、たくましい子どもに育てる時期です。芽を摘むことなく、良い体験を積み重ねていきたいものです。

やる気!元気!いぶき!今日もいぶきっこ公園でたくさん遊んできます°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
2019,9,6 園長 阿部千鶴子

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