今年の夏は本当に暑かったですね💦
このままだと日本は亜熱帯気候になるのではと心配になりますが、少しずつ暑さに終止符が打たれてきました。寒暖差で体調を崩す子どもがいたり、全国的に流行した手足口病が当園の子ども達にも流行り出して9月はバタバタ感がありました。10月を迎え運動会の季節。楽しみに練習を重ねている子ども達が、生き生きと健康に過ごせるように気合いが入ります。
そんな日々の中、楽しい発見もたくさんありました。その一つをお話したいと思います。
3歳を迎えた男児が面白いことを話していました。
「せんせい、トンボは死んだふりをするんだ!本当は生きているんだよ」
男児は捕まえたばかりのトンボをペットボトルを半分に切った容器に入れ、逃げないように網をかけ見せてくれました。
「ほらね!」
たしかに、ビクリともしない。
でもその子が手で羽根をチョンチョンと触ると、パタパタ動き始め元気です。
ただ捕まえるだけでなく、左右の方向から動き方や生態をよく観察しているようでした。
しばらくすると、先生の声がした。「さあ!園に戻るよ~」
「えっ?もう帰る時間?」と男児。
たしか去年、園に持ち帰りたいと地面に座り込み駄々をこねていた子どもです。
しばらく様子を見ていると、みんなより集合は遅れはしたがギリギリまでトンボを離さず、名残惜しそうに「また僕のところへ来てね~」とトンボに話しかけるまで成長していました。
おそらくこの子は捕まえては死んでしまう数々の失敗経験を繰り返し、自分の頭で考え納得する一番良い方法(見つけた場所に返す)を選べるようになったのだと思います。
クラスの子ども達が外遊びの時、この子のまわりで一緒に昆虫探しをしたがる理由がわかる気がしました。ワクワク感を味わいたい!という思いが沸きあがっているように思いました。雨上がりに道路でミミズを見つけた時も同じでした。「キモイ~」と言いながらずっと見つめていました。発見することで心が動く大事な経験。飽きるまで時間を費やしても良いと思う瞬間でもあります。
ミミズは目がなく手足もない姿から、名称は「目みえず」から「メメズ」になり、転じて「ミミズ」になったそうです。ミミズの白っぽく見える体節部分(環帯と言うらしい)をみて「マフラーしているみたい」と言う子どもや「ばんそうこう」と言う子どももいました。会話を聞いていて飽きないです。こんな日は、発見した事で心が満足しているのか昼食時間や遊びの時間の会話が増えるように感じます。
みんなが静かになった午睡時間。
パソコンでトンボを調べてみると、ありました!!
トンボは死んだふりをすると!男児が言っていた事が。
男児は自分で生の経験から得たこと。私は男児から得た情報を基にパソコンで調べて得たこと。
どちらも、心に残る知識に変わりがなく見えますが、自分で見つけたという経験からくる発見に勝るものはないです。考えて知ろうとする方へ心と頭脳が同時に向いているのですから。
子ども達の興味がそれぞれ違う方向へ向いているので、ひと粒ひと粒の種が異なり水やりも土の栄養も太陽の照らし方にも工夫が必要となります。将来日本がどんな社会へと変容していくのか、この子達の力によって大きく異なって来ます。乳幼児期にコツコツ種まきをし、栄養となる愛情を注ぎ続けたいです。
当園を選んでくださった保護者の皆様に感謝し、将来子ども達が地に足をつけ自分の考えで迷いながらも正しい道を選択して歩んでいけるよう「土台つくり」に励んでいます。私たちも悩み、考えながらいぶき保育園らしい子育て保育を展開していこうと思います。
まずは、心と頭の引き出しを整理し、新たな情報をキャッチする隙間を開けることから始めています!(笑)
小さな博士ちゃん達にいろんな事を教わりたいです💕
やる気!元気!いぶき!出会い!発見を楽しもう!
2024,10,3 園長 阿部千鶴子